親子の会話が増えるようになるには

 こんにちは。札幌にある「不登校のお悩み専門カウンセリングサロン ここから」です。ブログページをご覧いただきありがとうございます。

 「子どもが親と話をしたがらないんです…」
 「子どもが学校で何があったのかを全然話してくれないんです…」
 これらは、不登校のお悩み相談の中でよく親御さんからお聞きすることです。

 今回はそんな親子の会話について書きました。少しでも参考になりましたら幸いです。

親子の会話の必要性

 お子さんが小さい頃は、親子で一緒に遊ぶなかでコミュニケーションを取ったり、「ママ!ママ!」「見て!見て!」と子どもの方から話しかけてくることが多いと思いますが、どんな家庭でもお子さんが成長するにつれてその頻度は下がってきます。

 お子さんの年齢が上がると、ゲーム機で遊ぶようになったり、スマートフォンやタブレットを片時も手放さなくなったりというように、一人で過ごす楽しみを得たり、部活動や友人と過ごす時間が増えることもあり、親子での雑談が少なくなってくるようです。

 親御さんとしてはそれを寂しく感じたり、お子さんのことを把握できていないのではないかと心配になることもあるかと思います。子どもと大切な話をしたり、普段の様子を把握するためには、雑談の回数を増やすことが必要です。

 一緒の家で暮らしていても普段から親子の雑談が少ないと、学校で何があったかや進路のことなど、大切な話をすることがなかなかできなくなってしまうためです。

 例えば大人でも、普段雑談をするような関係性ではない相手にいきなり大切な話をしようとは思いませんよね。それが、上司と部下の関係や、親戚同士など大切な話をする必要性のある相手であったとしても、普段雑談をする関係性でなければ、大切な話をするのに抵抗があったり、「どんな反応をされるだろう」と怖くなってしまうこともあるかと思います。親子でもそれは同じことです。普段から何気ない会話をする関係性だからこそ、大切なことも話しやすいのです。

 また、親子の会話というのは、コミュニケーションの練習の場でもあり、子どもは家族との会話の中で話す力や話を聞く力を身につけていきます。会話が少なくなってしまうと、それらの力を身につける機会も少なくなってしまうということですので、子どものコミュニケーション能力を育むためにも、親子の会話はとても重要なものであると言えます。

 では、具体的にどのように親子の会話を増やしていくと良いのでしょうか。
まずは、親子の会話を増やすための基本として、どのように会話をしたら良いのかというポイントについてお話ししていきます。

親子の会話のポイント

 親子間や家族では「何を言ってもいい」「ありのままの自分でいい」と考える方も多いようです。もちろん、外で気を張ったり頑張っている分、お家でリラックスすることも大切ですが、親子と言えども「この人と話をしたい」と思われる人でなければ、会話が増えないのは当然のことです。
 では、子どもから「お父さん、お母さんと話をしたい」と思われるためにはどうしたら良いのでしょうか。会話のポイントを7点ご紹介します。

①明るく振る舞う

 子どもに対しては叱ることが多くなってしまうものかと思いますが、いつも叱ってばかり、注意してばかりで、明るく振る舞うことがないと話しかけにくい相手と思われてしまいます。不機嫌そうな相手やいつも叱ってくる相手には「怒らせないように話しかけない方がいいな」「トラブルになったら嫌だから距離を置こう」と、離れようとはしても近づこうとはなかなか思わないのは子どもも大人も同じではないでしょうか。

 一方、楽しそうで明るい雰囲気の人には話しかけたくなったり、一緒に過ごしたいという気持ちになりやすいでしょう。発言が前向きであったり、表情が明るく笑顔であったり、機嫌が良さそうであったりと工夫できるポイントはたくさんあるかと思いますので、まずは少しずつ話しかけやすい雰囲気を作ることを心がけてみましょう。

②子どもが話し始めたら、作業したりスマートフォンを見るのをやめる

 子どもの話をきちんと聞いていることが伝わるように、子どもの目を見て身振り手振りを見ながら話を聴くようにしましょう。そのためには、他の作業から一旦手を止める必要があります。他の作業をしたりスマートフォンを操作しながら子どもの話を聞いてしまうと、「私よりもそれが大事なんだ」と思わせてしまうことにも繋がりかねません。家事や周囲との連絡など、子どものためにしている作業であっても、表面上見ただけでは子どもにそのことが伝わらないこともありますので、できるだけ手を止めて話を聴きましょう。もしくは「少しだけ待ってくれる?今あなたの○○をしているから」と説明して後から「さっきはごめんね。なんの話か聴かせてくれる?」と声をかけるようにするのも良いかも知れません。

③子どもの話を最後まで聴く

 人は自分の話をきちんと聞いてくれない人には話す気を無くしてしまいます。途中で大人の意見を挟んでしまったり、否定したりするとそれ以上話そうという気持ちにはなれません。「もういいよ!」と会話をやめてしまうどころか、「お父さん、お母さんには、何を言っても聴く耳を持ってもらえないから話しても無駄」と思うようになり、それ以降なかなか話をしてくれなくなってしまう場合もありますので、子どもが話し始めたら話が終わるまでは相槌をしたりうなずいたりしながら、最後まで聴きましょう。

④子どもの意見や話を肯定する

 大人でも、いつも自分の話を否定してくる人に自分の話をするのはなかなか勇気が必要ですよね。人は否定をされると「この人は安全な話し相手ではない」と認識するので、話したいと思わなくなってしまいます。子どもの話を肯定することで、「この人は気持ちよく話を聴いてくれる相手だ」と感じ、たくさん話をしたいと思うようになります。

⑤興味を持って質問をする

 「それって○○ってこと?」「○○な時はどうなるの?」といったように、子どもの話に対して興味を持って質問をすることで、子どもは「自分の話に興味を持ってくれている」「自分の話って面白いんだ」と感じたくさん話したいと思うようになることで、コミュニケーション能力が高まります。
 また、大人が質問の仕方の手本を見せてあげることで、子どももまた子ども同士などの会話の中で相手の話に興味を持って質問したりすることができるようになり、人間関係を円滑にしやすくする力を得ることができます。

⑥子どもの方に多く話させてあげるようにする

 「お父さんの時はね、お母さんの時はね」と大人が語りすぎてしまうと、子どもの注意がそれやすくなってしまいます。なぜかと言うと人は基本的に他の人の話には興味がないからです。できるだけ子どもの方により多く話させてあげるように意識しましょう。
 しかし、子どもが一方的に話すばかりだと「自分の話に興味を持ってくれていないのかな」と感じてしまいます。ちょうどいいバランスとしては、子ども6割:親4割ほどの割合で会話のキャッチボールをするように心がけるのが良いでしょう。

⑦日頃から文章で話すようにする

 「あれ片付けて」「早くして」と、短い言葉は便利ですが、強い口調になりやすいので、「テーブルの上にある本、食事の時に邪魔になるから、自分の部屋に持っていってね」「22時には布団に入る約束だから、それまでに間に合うようにもうそろそろお風呂に入ってね」と文章で話すことによって口調が穏やかになりやすくなります。

 また、大人が文章で話すことで、子どもはそれを真似して文章で話すようになりますので、語彙力やコミュニケーション力が向上することで、複数回の会話のキャッチボールや長時間の親子の会話を楽しむことができることに繋がりやすくなります。

 いかがだったでしょうか。今できていること、できていないこと、それぞれあるかと思います。7点全てをできるように意識しようとすると大変かと思いますので、最初はどれか一つを選んで「これだけはやろう」と意識して、できるようになったら一つずつ増やしていくと良いかも知れません。

 親御さんの変化にお子さんも何かを感じ取るはずです。少しずつ親子の会話が弾むようになったり、長く話せるようになったり、子どもの方から話しかけてくることが増えたり、いつもより嬉しそうに話すようになったりと、大きな変化だけではなく小さな変化も楽しんでください。

 次回のブログでは、親子の会話のきっかけ作りのコツや、具体的なきっかけの例についてお話ししていきます。次回もあわせてお読みいただけましたら嬉しいです。

 最後までお読みいただきありがとうございました。

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