親子の会話のきっかけ作りのポイント
こんにちは。札幌にある「不登校のお悩み専門カウンセリングサロン ここから」です。
ブログページをご覧いただきありがとうございます。
今回のブログは、前回に引き続き「親子の会話を増やす方法」についてのお話です。
前回のブログから先にお読みいただくと分かりやすいかと思います。
前回のブログはこちら
きっかけづくりのポイント
親子での会話が少なくなっていることでお悩みの親御さんからよく伺うことが「子どもと話す話題がない」「子どもが話に乗ってきてくれない」ということです。
話題がないという場合は、それまで学校や習い事についての会話が中心だったのが、お子さんが不登校になったことによって、学校や習い事に行かなくなったために話題にすることができなくなったという理由も多いようです。確かに、子どもの生活の中心は学校や習い事が基本であることが多いので、自然と会話の内容もそのことについてになりやすいですよね。
また、お子さんが話に乗ってきてくれないという場合は、思春期であったりすることも理由にあるかと思いますが、普段からどちらからも話しかけることがほとんどなく、そもそもこれまでも会話のキャッチボールをすることがあまりなかったということもあるようです。
お子さんとの会話を増やしていくためには、まずは少しずつ会話をする雰囲気づくりや習慣を作ることが必要になります。
では、その最初の入り口としてどのようなきっかけから、親子で会話をすることができるでしょうか。
まず初めに会話のきっかけ作りのコツから5点ご紹介します。
①共通の体験をする
一緒に出かける、同じものを食べる、同じテレビを見る、料理を一緒にする、家事を一緒にするなど、共通の体験をすることで、話題にしやすくなります。
また、同じ体験をしているのでイメージの共有がしやすく、例えば「あの場所は広大な景色が広がっていて気持ちがよかったよね」などと大人が話した時に、子どもは口には出さずとも「あぁいう広々とした何も無い土地のことを広大と表現するんだな」と学んでいます。語彙力や表現力を身につけるきっかけ作りのためにも、共通の体験を通して大人が言葉で表現してあげられると良いでしょう。
②子どもに相談する
子どもの意見を聞いたり、相談すると子どもに話をしてもらいやすくなります。
例えば、ネットショッピングなどゆっくり意見を聞くことができる時に、子どもに「どっちがいいと思う?」と相談してみましょう。この時、注意が必要なのは、ゆっくり意見を聞くことができる時ということです。急ぎの用事で選択を任せると子どもはプレッシャーを感じて上手く話せなくなる可能性があるためです。
また、子どもに選んでもらうのは、複数の選択肢のうちどれを選んでもその意見を肯定できる品物だけにしましょう。せっかく意見を聞いたのに採用されなければ、「じゃあなんで聞いたんだよ」「結局私の意見なんて聞いてないじゃん」という感情につながり、次回以降質問をしても答えてくれないということになってしまうこともあります。
「お父さんへのプレゼント何がいいと思う?」「おばあちゃんへのプレゼント、ピンクと紫で迷ってるんだけどどっちがいいかな?」など質問した後は、意見を聞かせてくれたことや選んでくれたことに対して感謝の言葉を伝えるようにしましょう。また、プレゼントを渡す時に「〇〇(子どもの名前)がお父さんはお酒が好きだから、グラスをプレゼントするのがいいんじゃないかって考えたんだよ」「〇〇(子どもの名前)がおばあちゃんは薄紫が似合うからって選んだんだよ」と紹介し、プレゼントをもらった人から子どもが「ありがとう」と言われることで喜んでもらえたという経験を得て自信につなげることもできるでしょう。
③子どもの方が詳しいことを聞く
前回のブログでお話しした「親子の会話の基本⑦子どもの方に多く話させてあげる」ためのきっかけ作りとして、子どもの方が詳しいことを聞くという方法があります。「教えてほしい」と言われると、面倒だなと思うことはあっても嫌な気持ちになることはなかなかないでしょう。教えてくださいということは、「あなたの方が私よりもこのことに詳しいので」という含みを持っています。ですから、子どもの方が詳しいことを聞くことで「なんでも知ってるね」「さすが詳しいね」といったように尊敬のニュアンスを伝えることがしやすくなります。
④服装や様子を褒める
毎日できる何気ない会話としておすすめなのが、服装や様子を褒めることです。
例えば、子どもがネイビーの服を着ていてそれが似合うと思ったら、
あなたってネイビーが似合うよね
そう?
うん、お母さんはネイビーあんまり似合わないんだよね。
でも、ネイビーっておしゃれだったり高そうに見える素敵なデザインのものが多かったりするから、似合うの羨ましいな
お母さんは茶色の服が多いよね
よく見てるね笑 無難で好きなんだけど他の色にもチャレンジしてみようかな〜
⇨もし、途中で「ふ〜ん」というリアクションしかなかったとしても独り言のように話を続けやすい話題でもあります。その時は特にリアクションがなくても、お互いの似合うものや好きなデザインなどについて話しておくことで、後日子どもの方から「これ似合うんじゃない」と話しかけるきっかけになったり、会話につながったりする可能性があります。
⑤冗談を言って突っ込んでもらう
冗談を言うのはハードルが高いように感じられるかも知れませんが、意外なことに「子どもの反応が冷たいんです…」という時にも使える方法です。親御さんご自身や家族のキャラを活かすと会話のきっかけを見つけやすくなります。
例えば、テレビで家政婦さんの話題をしていたとしたら、
お母さんも家政婦やろうかな〜
いや、自分の家散らかってるのに!? 家事きらいなのに!?
そうだった笑 たしかに笑
会話自体は短いですが、ツッコミの言葉を肯定することで、子どもの意見を肯定的に受け取ることができますので、他の会話がしやすくなる糸口としても使うことができます。
具体的な会話のきっかけの例
何気ない日常の中で実践できる簡単なものから、普段は照れ臭くてなかなか伝えられないかも知れない「あなたを大切に思っているよ」というメッセージを伝える会話をするためのきっかけについてもお伝えしたいと思います。
①動画やSNSなどを見せる
子どもが普段使っている動画サイトやSNSを親も使ってみる方法です。そのなかで、子どもの興味がある内容のものを「見て見て〜(あなたの好きな)○○について載ってたよ」と情報を共有したり、面白い情報や動画などを共有して笑ったりすることも会話のきっかけになるでしょう。
例えば、「その情報もう知ってる」「その動画見たことある」という素っ気ない返事だったとしても、「さすが、情報がはやいね」「そうだったんだ。お母さんこういう動画好きなんだ。今度こういうの見つけたら教えてよ。」と褒めたり、次のきっかけにつなげることもできるでしょう。
②珍しいものを用意する
変わった味のお菓子やレアなものを買ってきて、一緒に食べながら感想を聴く方法です。いつもと違う期間限定の味のお菓子や、それってどんな味なの!?と興味をそそるようなパッケージのものを見かけたら、購入して会話のきっかけにしてみましょう。期間限定の味であれば「いつもの味とこれとどっちが好き?」と聞いたり、「バナナ味とかがあっても美味しそうだよね」と話しかけてみたり、「お菓子で1番何が好き?」と会話の幅を広げてみたりすることで、子どもの興味関心について知ることができます。次回は話題に上がったお菓子を買ってきて食べるというのも、子どもは「あの時の話、覚えててくれたんだな」と嬉しくなることでしょう。
③昔の写真を見ながら話す
「データが増えたから写真を整理する必要があって」「アルバムを作ろうと思って」というように、昔の写真やデータを整理している様子を見せながら、産まれてきてくれてどれだけ嬉しかったか、産まれる前に親はどんなことを思っていたか、小さな時の嬉しかった出来事やかわいかった話などをすることができるでしょう。それらの会話から、親が子どもに対してどれだけ愛情を持っているかが伝わり、他の会話や「この時はこうだったね」と共通の話題を語ることもできるかも知れません。
子どものペースを尊重しながら会話を増やしていきましょう
親子での会話が少なかったり、思うように話が続かないと親御さんとしては不安な気持ちになったり、素っ気ないお子さんの態度に腹が立つこともあるかも知れません。こちらがコミュニケーションを積極的に取ろうと心がけても、相手が乗り気でなければ会話は続きません。「親子なんだから、家族なんだから、もっと話してくれても良いのに」と不満に思うこともあるかも知れませんが、お子さんにとっては会話を続けたくない何か理由があるのかも知れません。何か嫌なことがあって気分が落ち込んでいて会話をするのがしんどかったり、親御さんのことを安全な話し相手と見なしていなかったり、そもそも会話をするのが好きではなかったり…
会話をすることは、お子さんのコミュニケーション能力を育てるためにもちろん大切なことではありますが、親子で会話をしなければという焦りから「なんか話してよ」「会話にならないじゃん」とお子さんを責めるのはNGです。
子どもにとっては一人で考えたりすることも会話をするのと同じくらい成長のために大切なことですので、無理に会話を増やそうとするのではなく、子どものペースを尊重しながら徐々に増やしていくようにしましょう。
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