新年度に向けて、不登校の親子が今できること

こんにちは。札幌にある「不登校のお悩み専門カウンセリングサロン ここから」です。
ブログページをご覧いただきありがとうございます。

4月になりましたね。あと1週間ほどで始業式があり、新年度が始まります。

本日のブログでは、新年度の登校についてのお話をしていきたいと思います。

新年度に登校できなかった時、親御さんがガックリするのは当然のこと

 新年度が始まって親御さんからのご相談で多くなる内容が「クラス替えも配慮してもらったのに、新年度からは行くって約束してたのに、やっぱり学校に行けませんでした。」というお話です。

 「新年度からはもしかしたら学校に行けるようになるかも知れない」と思う出来事が多ければ多いほど、親御さんとしては正直ガックリする気持ちになることは当然のことです。

 また、特にお子さんに代わって学校とのやり取りを担当することが多いお母さんは2・3月頃から、

「次の担任の先生に引き継ぎをするために現状確認がしたいんです。一度学校にお子さんと一緒に来ていただけませんか。」

「安全確認の必要もありまして、せめて本人に電話に出てもらうことはできませんか。」

「来年度はクラス替えがあります。誰と一緒だったら学校に来やすいとか、怖くて行けないとかそういう本人の希望って何かありますか。」

と、学校側からの確認の連絡も多くなる時期です。それに対応するだけで疲れてしまうこともあったでしょう。

 一方でお子さん本人が

「嫌だ。何時であっても何曜日であっても学校には行きたくない。」

「担任と電話で話すなんて嫌だ。絶対出ない。」

「クラス替えの希望はあるけど、お母さんには話したくない。」

「誰と一緒だろうが学校には行きたくない。」

というような態度であった場合、学校とお子さんの板挟みになることも少なくなく、ますますお母さんは疲弊してしまうでしょう。

 家事や仕事などとなんとか両立しながら、クラス替えについてや新学期のことを学校やお子さんと調整してきたのに、やっぱり新年度も行けなかったとなれば、親御さん自身が無力感を感じてしまったり、他にどうしたら学校に行けるようになるんだろうと先のことを考えて辛くなることもあるかも知れません。

 登校が叶わなかったことで、結果に繋がっていないように感じ、悲観してしまうことが多くなるのは当然のことですが、まずは、お子さんのためになんとかできないかと頑張ったこれまでのご自身を労って褒めてあげてくださいね。

環境を整えたのになぜ新年度も学校に行けないのか

 ここで知っていただきたいことが、クラス替えを配慮してもらったり環境を整えたはずなのに「なぜ新年度も学校に行けないのか」ということです。

 もちろん、お子さんの状況によって理由は様々ですが、不登校の子は新年度に向けて色んなプレッシャーや不安を感じている子が多いのです。そして、クラス替えの配慮や新年度になったということだけでは、お子さんが感じている不安を根本的に解決できていないことが少なくないのです。

 むしろ、クラス替えや新年度という避けられない「変化」が新たな不安やストレスを生み出すことの方が多く、その不安から今までよりも精神的・身体的に不調になってしまうこともあります。

不登校のお子さんが新年度に感じやすいプレッシャー・不安

・新学年になることへのプレッシャー(中3、高3という受験学年になると特に強まります)

・前年度までの学習へのコンプレックス

・クラス替えで誰と一緒になるか、クラスはどういう雰囲気なんだろうという不安

・新しい担任の先生が自分の状況を理解してくれるかという不安

・新年度だから登校できるようになるんじゃないかという周囲(家族・先生・友人)からの期待を感じるプレッシャー

 一方で大人からすると、新年度には様々なメリットがあるように見えるものです。

・クラス替えしたばかりのみんなも仲良くなりきれていない時期から行った方が馴染みやすいのでは

・新しい単元が始まる時期だから、ここから再スタートした方が学習しやすいのでは

・担任の先生が代わって相性が前より良くなるかも知れない

・好きな友達と同じクラスになったから、前より行きやすくなったのでは

新年度に向けた親子の話し合い方

 新年度という区切りには、これらのメリットがあるのも事実です。

 そしてこれらの大人の考えを子どもに伝えてはダメかというと決してそういうわけではありません。子どもでは考えつかないことも多いからです。

しかしながら、

「新年度のうちならこういうメリットがあるから行きなさい」

「今行かないと余計行きづらくなるから行きなさい」

という伝え方はNGです。

 理想としては、新学期が始まる1週間から数日前頃に

「新年度からの学校に対してどう思っているか」

「今学校や勉強に対してどんな気持ちか」

など、お子さんの話を先に聞き出してあげてください。

そして、「あなたは今こう考えてるんだね」と、一度お子さんの考えを肯定した上で

「お母さんはこう思うよ」「お父さんはこう思うよ」

という親御さんの考えを伝えてあげてください。

 これは子どもに限らず、職場やどんな人間関係でも、人は自分の考えや話を聞き入れてくれない人の意見は聞こうと思えないからです。せっかく、伝えてあげたいことがある時には、お子さんの心にその親御さんの想いがしっかりと伝わるように、まずはお子さんの話に耳を傾けてあげてください。

新年度、学校に行きやすくする準備とは

 では、どうすればクラス替えや新年度という「変化」を少しでも味方につけて、学校に行きやすくすることができるのかと言いますと、やはり登校するまでの間に「準備が必要」だということです。

 そして、「どんな準備が必要か」はそのお子さんの状況それぞれなのです。今、新年度に向けて親子でできることは、先にご紹介した新年度に向けた親子の話し合い方に合わせて「学校に行くためには何の準備が必要か」を確認することです。

例えば、

 「新年度への不安がいっぱいで感情が苦しい」という状況の時には、まず新年度からの登校を目指す前に不安がいっぱいになりやすい心を休めてあげること、そしてどうして不安が募りやすいのかを一緒に考え、不安を少なくしていくことから始めることも有効でしょう。

 また、「勉強についていけない不安が大きくて登校するのが怖い」という状況の時には、どうしたら勉強の不安が少なくできそうか、どのくらい勉強したら不安が少なくなりそうかなどの解決へのアプローチを本人自身に主体的に考えるサポートをすることが必要かも知れません。

 もし、親子では、「何の準備が必要かを話し合うことが難しい」といった状況であれば、カウンセリングの中で考えていくこともできます。これは、カウンセラーとお子さんが直接話さなければいけないということはなく、あくまで推察にはなりますが親御さんのお話の中からどういうアプローチをしていくのが良いかを一緒に考えることができます。カウンセリングルームここからでは、お子さんの状況によってどうしていくのが良いのかを一人一人に合わせて一緒に考えることを大切にしています。

 そして、現状解決へのアプローチ方法として、親御さんに適切なサポート方法や接し方を知っていただく『不登校について学ぶ講座』を実施しております。その講座の中では、「登校できるようになるまでの心の回復の順序」や「登校できるようになった後の適切なサポート方法」などもご紹介しております。

 また、カウンセリングで信頼関係を築いた上でお子さんと一緒に勉強する『学習サポートコース』も実施しています。

 まずは、親御さんだけでご相談に来ていただいても大丈夫です。

 もし、不登校やこの先のことについてお悩みであれば一度お気軽にご相談いただければと思います。

 最後に、これはカウンセラーとしての経験上からのお話にはなりますが、不登校の子が再び登校ができるようになったり、学校に行かなくとも勉強と向き合い始めるようになる時期としては、新年度が新学期などのいわゆる区切りがいい時ではなく、お子さん自身のタイミングで「よし、やろう」となった時です。ですから、新年度に登校ができなかったからと言って、その後ずっと1年間登校できないとは限りません。

 今後の過ごし方、接し方、関わり方で、これからの1年間を変えることは可能です。

 そのお手伝いが少しでもできましたら幸いです。

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